家賃88,000兆円
海外に行った親父をニートの妹と見守る件について
登場人物
俺 アラサー 営業 彼女に振られてからなんとなしに生きている奴
妹 超絶怒涛のニート 美大出身 流行りで言うと○ロマンガ先生
俺と一緒に暮らしている
親父 仕事に一区切りついて、自分の母がなくなったので遺産が入ってきたので
海外に行った奴。プー。バックパッカー
ブログタイトルの通りだが、俺の親父は海外に旅行、というよりも旅立った。
若い頃に彼はヨーロッパ旅行に行ったことがあるらしい。
今回も50になったというのに、バックパック一つ背負って出かけていってしまった。
そんなやつと、それを見守っている我々の流浪の一部を勝手に綴ろうと思う。
ふたりとも芸術肌のくせして、世の中への発信をしてゆかない質ゆえ、
(インスタはひっそりとやっているらしい。フォローは片手で数えられるけど)
二人、そして私が生きていた記録をLINEのトーク履歴に残しておくだけでは、
スマホの画像フォルダにおさめているだけでは、惜しい気がしてならないからさ。
(もし身バレした時の、というよりも親フラグが起きた場合の言い訳ですが・・。)
海外に行ってもLINEが通じるので、LINEの書き起こしになるのだが、
まあ2ちゃんねるまとめブログみたいなものだ。
さて、話のあれこれがあるので、前日譚から入らなければならない。
俺と妹はいま一緒に暮らしている。
もともとは、妹の美大の近くに親父と妹で暮らしていた。
東京のひっそりとした場所で、とても都会とは言い難いところだが、電車に乗れば都心には出られるようなところ(美大出身の人ならこれだけでわかっちゃうよね)。
妹は美大を卒業したあと就職に失敗したらしく、コンクリートジャングル、ネオ東京、または路傍に揺蕩うような生き方を選んだ。
一時期は母のもとに住んでいたが、1LDK風呂なしの物件は、女二人が住まうには
住環境がとてもとても良いとは言えず、行き違いが生まれやすい状況のため、
俺は妹を引き取ろうと思った。
東京から少し離れた、2LDK。
5階建ての5階。エレベーター付きで、私と妹の部屋が振り分けになっている物件だ。
家賃88000円。一人暮らしより少し高い。
話は少し前から始まる。